今や400人に1人が新型コロナ罹患(町田市内)…家庭にコロナを持ち込まないために何をすべきか
東京都の新型コロナ感染者数も12月末以降増加が著しく、とうとう緊急事態宣言が発令されました。町田市内も明らかに増加し、1月はわずか8日間で274人と急速に増加1)し、今や400人に一人が新型コロナに罹患を経験し、医療崩壊や感染爆発(オーバーシュート)が現実味を帯びてきたと感じます。
「新型コロナにかからないため」に何を気を付けるべきかを再度申し上げたいと思います。
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月8日現在 | |
新規感染者数(/月) | 53 | 98 | 45 | 79 | 112 | 349 | 274 |
累計感染者数 | 111 | 209 | 254 | 333 | 445 | 794 | 1068 |
累計感染者数/町田市人口(428,821人) |
1/3863 |
1/2051 | 1/1688 | 1/1288 | 1/964 | 1/540 | 1/401 |
新型コロナウイルスは「非常に巧妙(こうみょう)」に「感染を拡げていきます」
新型コロナウイルスは非常に巧妙に感染を拡げる性質があります。
①発症前(無症状の時期)から感染力がある
インフルエンザなど多くの感染症は発症後にウイルスを排出しますが、新型コロナは発症前に既に感染力があります(図1)。つまり発症前、症状の出ないうちにヒトに感染させているのです(図2)2)3)。これは症状が出てから感染対策をしても限定的な効果しか得られないことになります。
図1.新型コロナウイルスは発症前から感染する
図2.新型コロナ感染の45%は発症前の感染者から伝搬する
②軽症~無症状例が多い(80%)が重症例と同程度の感染力がある
軽症例が多いことは良いことのように思えますが、軽症者は病院を受診しない、あるいは受診しても診断されない例が多くなります。軽症~無症状例であっても感染力は重症例と同程度とされているので感染は拡がりやすくなります。
③新型コロナウイルスは環境内に長時間残る(図2,3)。
新型コロナウイルスはくしゃみや咳などのしぶき(飛沫)に大量に含まれ、これが「目や鼻、口」から侵入し感染しますが、大声などで出されたエアロゾルで長時間空気中に滞留すること、環境表面にも長時間残存することが確認されています(図3)。一方「アルコールや洗剤で速やかに失活する」ことも示されました。感染者が「マスク」をすることで飛沫やエアロゾルが環境に拡がることを抑えられます。また周囲の人の「マスク」着用はエアロゾルを吸うことを減らします。すなわち「マスク」着用や「手指消毒」が大切であるを示します。
図3.拡散された新型コロナウイルスは空気中に3時間以上、プラスチック表面に3日間検出された5)
図4.新型コロナはエアロゾルにより感染するか?8)
今や町田市内では400人に1人は新型コロナに罹患歴がある状況であり、「新型コロナは決して遠い脅威(きょうい)ではありません」。いつか「職場内」に感染者が出たときに、自分たちは「家族」を守り切れるでしょうか?
「マスクなしは無防備」であり、食事やカラオケなどでは特に注意が必要です
①もし「家庭内」に感染者が出たら…
感染者から発症前からウイルスは既に排出されており、家庭内の空気中や環境表面に長時間残留します。家族の殆どは濃厚接触者※1となるでしょう。「家族内」に感染者が出たら、感染を防ぐことはほとんど不可能だと思います。
⓶もし「職場内」に感染者が出たら…
普段からマスク着用、3密を避けるよう※2仕事を心がけていても、食事やカラオケ等「マスクをしない」状況で、「1~2m以内」「15分以上」一緒にいると濃厚接触者になるでしょう。「マスクなしは無防備」な状況であると理解し、食事中も「距離を取る」「(エアロゾルを発生しないよう、吸い込まないよう)小声」を心がけることが大切です。家庭内に感染を持ち込まないよう、職場や外食等で感染しないよう「マスクをしない状況では特に注意」にしましょう。
※1.濃厚接触者とは、接触者が感染者と「(両者がともに)マスクなし」、距離が「1~2m以内」、「15分間」接触したことを目安にします。
※2.感染予防で大切なことは感染経路である「目、鼻、口」を守ることです。すなわち、①飛沫やエアロゾル感染から守るため「マスクで鼻、口を守る」、⓶接触感染から守るため「何かに触れたら手を洗う」「手を顔に触れない」が大切です4)。新型コロナは空気中や環境表面に長期間残存するため、「3密※3(を避ける)」や「5つの小※4(を守る)4)」ことで、これを考慮した感染予防を提唱しています。
※3.3密とは「密閉」「密集」「密接」であり、換気の悪い「密閉」空間、多数が集まる「密集」場所、間近で会話や発声をする「密接」場面であり、日頃の生活の中で3つの「密」が重ならないようにしようと厚生労働省は呼びかけています。
※4.「5つの小」とは「小人数」「小一時間程度」「小声」「小皿」「小まめ」であり、簡単に言えば、忘年会など会食をおこなう場において「気を付けてもらいたいこと」を標語的にまとめたものです4)。