気管支喘息

Bronchial Asthma

近年、長引く咳の原因や診断としてしばしば目にする「咳喘息」も同様に、主にアレルギー性の気道炎症が背景にあります。気道炎症があると様々な刺激(風邪、埃や花粉、温度差、気圧変化等)に過敏になり、気管支の収縮発作が起こりやすくなるので、ステロイドの吸入により炎症を抑える予防が主な治療法になります。

気管支喘息で亡くなる方は今だに年間で1500人近くにのぼり、軽視できる疾患ではありません。
吸入ステロイドは1978年に発売され、喘息発作や喘息による入院、喘息死を減らした画期的薬剤であり、苦しむ喘息患者さんを激減させました。内服ステロイドとは違い、用量は50~100分の1と極少量であり声のかすれ(嗄声)を除くと副作用は殆どありません。

 

また、喘息の症状を繰り返すと気道炎症は元に戻りにくくなるため薬が効きにくくなります。そういった状態に陥らないためにも、症状をコントロールするため治療で気道炎症を抑えることが重要になります。
喘息診療には、正しい診断、正しい理解のもとの継続治療が大切ですので、丁寧な説明と診察をしていきます。

 

当院では、通常診察の他適宜呼気NO検査を診療に取り入れています。症状に表れにくい気道炎症が反映されるので、咳喘息や喘息の診断や治療の調整に有用です。患者さまご自身に検査結果の数値をご確認いただきつつ、今後の治療方針をご相談させていただくことで、治療への理解を深めることにもつなげていきたいと考えております。
気管支喘息とうまくお付き合いいただくため、全力でサポートさせていただきます。

一酸化窒素ガス分析装置

当院では、呼吸器疾患全般の診療を行っておりますが、特に呼吸器疾患の中で多い「長引く咳」「頑固な咳」に注力しております。

 

「長引く咳」を主訴として来院される患者さまにはまずレントゲン撮影を行い、影の有無を判断します。レントゲン写真に影がない場合は、第一に感染なのかアレルギー関係のものなのかを明らかにするため、肺活量の検査や呼気NO(一酸化窒素)測定器を用いた検査を実施します。呼気NO検査は、画面のアニメーションを見ながら10秒間息を吐くだけの簡単なもので、患者さまのお身体にご負担をおかけすることがありません。咳などの呼吸器の症状がアレルギーに関連するものなのか否かを、一歩踏み込んで確かめるために用います。

患者さまご自身に検査結果の数値をご確認いただきつつ、今後の治療方針をご相談させていただくことで、治療への理解を深めることにもつなげていきたいと考えております。