下肢静脈瘤外来
令和4年1月13日より、当院で下肢静脈瘤治療を開始致します。前任である町田市内の病院では令和2年6月から導入したラジオ波アブレーション(焼灼術;カテーテル治療)ですが、1年半で92症例・134肢に達しました。
多くの患者様や地域の先生方に頼っていただきましたので、血管診療の受け皿をこの地域に残したいと願っていたところ、佐藤寿一理事長に取り計らいいただき、下肢静脈瘤外来を開設する運びとなりました。
当院では、従来のラジオ波焼灼術に加え、さらに低侵襲の「グルー治療(※)」と「硬化療法」も新たに開始します。多くの患者様により幅広い治療選択肢を提供させていただきます。
受診したら、
まずは超音波検査(エコー検査)をしてみて、軽度のもの、症状がなく特に治療希望がない方には弾性(圧着)ストッキングの着用や漢方薬の内服で経過を追う方も多いです。 治療におきましても、ラジオ波がいいのか、グルー治療がいいのか、硬化療法がいいのか、じっくりとお話して決めていきましょう。クリニックにおいては入院ができませんので、日帰りとなります。難症例や全身麻酔が必要な症例は、外勤先の大和成和病院で私が執刀させていただく予定です。
足のボコボコ浮き出た血管、むくみ、冷え、こむら返り、なかなか治らない皮膚炎・色素沈着、蜘蛛の巣血管など、お気軽に受診なさってください。
『ベナシール治療』『グルー治療』
グルー(glue)は、にかわ、接着剤という意味です。保険診療で治療を受けることができます。
ベナシール治療は、医療用の
従来のレーザーやラジオ波による血管内焼灼術では、静脈を焼いてふさぐ治療のため、血管内の炎症のために頻度は高くないものの、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)や神経障害などの合併症がありました。
ベナシール治療では血管を焼灼させることはないのでこれらの合併症の可能性はぐっと下がります。
この治療で使用する瞬間接着剤は、これまでも医療用として血管内治療(脳外科領域)や皮膚接着などに広く使われており、安全性も実証されています。
ただし、接着剤という異物を血管内に入れることによるアレルギー反応が起きることはあります。当院はアレルギー科の対応が可能であり、この合併症に対しても適切に対応させていだきます。
従来のレーザーやラジオ波治療と比較して
・局所麻酔は針を刺す部分のみ、大量の局所麻酔は不要・術後に弾性ストッキングをはかなくてもよい
・ジョギングなどの軽い運動であれば、術後早期に可能
・手術後の合併症である深部静脈血栓症やしびれなどの神経損傷の頻度が少ない
血管外科・下肢静脈瘤外来担当医
達和人(たつかずひと)
主な経歴
- 2005年03月 富山医科薬科大学医学部 卒業
- 2005年04月 関東中央病院 外科系初期臨床研修
- 2007年04月 関東中央病院 心臓血管外科後期研修
- 2009年08月 群馬県立小児医療センター 心臓血管外科
- 2010年04月 牧港中央病院 心臓血管外科
- 2017年04月 福岡記念病院 心臓血管外科
- 2019年10月 あけぼの病院 心臓血管外科
- 2021年07月 大和成和病院 心臓血管外科 入職(非常勤)
免許・資格
- ・外科専門医
- ・心臓血管外科専門医
- ・心臓血管外科修練指導者
- ・日本循環器学会 循環器専門医
- ・下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医