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咳が続いて心配です…何か大変な病気でしょうか?

咳が長引くと「何か大変な病気がないか?」と心配される患者さんは少なくありません。咳はどんな病気でみられるのでしょうか?

長引く咳ではどんな病気を否定する必要があるでしょうか?

患者 70歳代 男性
主訴 3週間前から咳や痰が長引く

既往歴

喫煙歴

20歳肋膜炎

20本x20~70歳

経過

普段からしばしば白色痰があった。

3週間前に風邪を引いたあとから咳や痰が増加し、何となく息切れがある。

何か大変な病気でないかと心配で受診した。

結果 喫煙歴と肺活量検査からCOPD(慢性閉塞性肺疾患)※1と診断した。吸入治療薬開始し、咳痰や息切れは軽快した。
まとめ

咳を来す病気は様々な原因があるが、肺炎、結核、肺がんなどが心配な病気でしょう。

これらの多くは胸部X線で異常がみられるため、2週間以上長引く咳では胸部X線でこれらの病気を否定することが大切※2です。

※1.COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは?

 煙草(たばこ)煙を原因とした慢性の肺疾患で、40歳以上の約10%にみられるありふれた病気です。原因は長期間の煙草(たばこ)であり、20~30年間と喫煙することで、”気道に炎症”が起こり、少しずつ”肺が破壊”されていきます。気道の炎症は徐々に咳や痰を起こし、徐々に「気道が閉塞」、「肺が破壊」されることで息切れをいずれ来しえます(慢性気道閉塞、肺疾患から「慢性閉塞性肺疾患(COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Diseaese)」)。診断は「長期間の喫煙歴」、および「肺活量検査」で気道の閉塞を確認することで行います。

 過去の喫煙歴が原因のためCOPDは世界中で増加傾向にあり、2030年には世界の死亡原因の4位になることが予想されており、早期に予防や診断をすることが望まれています。近年吸入薬(スピリーバ、シーブリなど)の開発でかなり症状や増悪を改善することが出来るようになりましたが、壊れた肺は治ることはないので禁煙が最も大切です。

 

※2.長引く咳ではどんな病気を否定すべきでしょうか?

 肺疾患のすべては咳を来しうるのですが、特に注意すべき病気としては以下のものがあります。1~2週間以内の咳では肺炎や心不全、2~3週間以上長引く咳では肺結核や肺がんをまずは否定すべきです。幸いこれらはしばしばみられるわけではありませんが、咳が治らない際にはこれらの病気も注意する必要があります。

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