季節の変わり目;手足の冷え
前回のブログから随分ご無沙汰しているあいだに、第二波の新型コロナ感染者はピークを越えましたが、まだまだ安心はできないですね。ウィズコロナの新しい生活にもだいぶ慣れてきましたが、コロナ以前と比べて風邪を引かないという声をよく聞きます。毎日体温測定をしたり、自分の体調の変化により気をくばるようになったからでしょうか?とはいっても、季節の変わり目、油断はできません。そろそろ手足の冷えを感じる方もいらっしゃいますね。
まめに体温測定をして、気づかれた方もいらっしゃると思いますが、体温はいつも同じではありません。一日のうちでも朝起きる前が最も低く、夕方が高くなり、1~1.5度程変化します。外気温や食事、運動など体の活動にも影響を受けます。炎天下で運動すると一時的に38度になったりします。また年齢でも異なり、加齢に伴い低下する傾向があります。女性の場合は月経周期で異なります。そして測る部位によっても差があります。体表面の
温度は外気温に大きく影響を受けますし、手足はとくに温度変化が大きいです。
体温を調節する主体は皮膚です。暑いところや運動時などは顔が赤くなりますね。それは熱を放散させるために皮膚の血流が増加するからです。それでも不十分だと発汗します。汗が蒸発するときに熱が奪われるからです。反対に寒いときは、皮膚とくに手足の皮膚は血流を低下させて、熱の放散を抑えます。毛穴はしっかりと閉じて、極端な場合は鳥肌になります。
漢方では、体を大きく“表(ひょう)”と“裏(り)”に分類します。簡単にいうと内臓は“裏”で、体の表面を覆う皮膚だけでなく、筋肉や骨など体を形づくるところは“表”になります。生きていくためにかかせない内臓(“裏”)を守るのが“表”の大事な仕事のひとつです。鉄筋の建物だと台風がきても丈夫なように、“表”が強固だと“裏”はしっかり守られます。
体温は一定ではないといいましたが、実は命に重要な脳や心臓などの臓器、つまり“裏”の温度は一定で37度程度に保たれています。一定でないのは体表で測定する体温、つまり“表”の温度です。最近手足が冷えて感じるようになった方は、外気温が下がって夏よりも“裏”に血流を集中させなければいけないので、手足の血流が低下しているのです。手足の血管に問題があるわけではないのです。ですから、運動をして“表”を強くすることを心掛け、“裏”の温度を下げないように、冷たいものを飲んだり食べたりすることは、控えなくてはいけません。それでも手足が冷えて困る方は、原因が手足の血流の低下以外にあるかもしれません。次回に続く・・